卓球の石川佳純選手、日本選手権で5年ぶり5度目の優勝とのことです。
スポーツはあまり興味ない人間ですが、たまたまみたNHKの「プロフェッショナル」の石川選手が、長年続くけてきた自身のスタイルが、近年の「高速化」に対して時代遅れ、と言われて、急に勝てなくなったところ、どさ回りのように世界の小さな大会を回ってゼロからスタイルを鍛え直す、というストーリーでした。
その後どうなったのかな、20歳くらいの選手が高速卓球をやる中で、急にスタイルを変えるって尋常な努力じゃないだろうな、と思ってそこでは終わったのですが、
石川さんの澄んだ瞳というか、、、それがとても印象的でした。最初の方は、とにかく「周りからダメと言われてる、もしかしたら自分はもうダメなんじゃないか」と思ってしまうが故に、途中で自分のその思いに負けてしまって、思い切りプレイできず、そのことが何より辛く、でも、試合中に結局怖くなってしまって、自分に負けてしまうループから抜け出せずにもがいている様子が伝えられていて、ここからどう這い上がるのかな。。と思ったら、なんだか吹っ切れて、世界の卓球のスタイルが変わったんなら、自分を変えて勝負する、と決意したところで番組がおわり、その時の表情がとても清々しくて、こころあらわれて、素敵な女性だなと思ってました。
その彼女が勝利したことを伝えるこの記事:
スポーツデイリーさんって、日刊スポーツやスポニチには部数で引けをとってるけど、ベテラン記者がずっと現場で記事を書き続けているのが特徴で、私の経験から言うと、内面も豊かで落ち着いたおじさま記者がたくさんいらっしゃるんです。取材対象者とも、じっくり長く関係を築くカルチャーがあるようです。
だから、書いている記事に、味が出る。
この記事も、映像で1時間かけて伝えるNHKのプロフェッショナルに負けず劣らない、伝える力にあふれています。
この記者さんはすごくよく石川選手を見続けていたんじゃないかな。短い中で言葉を選び抜いて書いている筆力が伝わってきます、この部分を引用させていただきます:
東京五輪代表レースを争う上でも、国際大会で勝てず崖っぷちで苦しむ日々もあった。「プレースタイルや年齢で、マイナスに考えてしまうこともあって、直接(限界だと)周りに言われて落ち込むこともあったが、そのたびにコーチや家族から『全然やれるよ』『もっと自分の可能性を信じて』と言われて、そうだよなと」。自分と向き合えるコロナ禍の自粛期間もうまく作用したといい、「最近は楽しんでやれている。やりたいようにやればいい」と吹っ切れたことを明かした。
「直接、限界だと」言われた、、、でも、その限界って、やっぱりその人が自分で決めるものなんですよね。
「限界だ」と軽々しく言えてしまう人は、あまり言われる人の気持ちなんて考えずにいうものですからね。でも、落ち込んでる時って、心ないネットの意見とか、気にしちゃうんですよね。
またなにより、
「自分と向き合えるコロナ禍の自粛期間もうまく作用した」とおっしゃっているところが注目です。そう、それが大事なんです。そもそもコロナ禍がデフォルトで「自分と向き合える」期間なんだと思っているところがあっぱれです。
これができるかできないかで、生き方が分かれていくと思います。
そして、風の時代の一番大事なところも石川さんはおさえています:
「最近は楽しんでやれている。やりたいようにやればいい」
どん底を経験して、絶望して、そこから這い上がれたからこそ出てくる言葉です。自分と向き合えた人だけ、困難を建設的に乗り越えることができる。それは、自分とは乗り越えるもの、つまり、自分の決めつけは自分で壊せばいい、ということです。
あれだけドキュメンタリーで悩んでいた彼女、卓球が小さい時から楽しくてしょうがなくて勝ち続けて世界に君臨して来た人が、急に勝てなくなって、もう終わりだ、と言われ、卓球が苦しくなって、どれほど辛かったろうか、と思います。きっと今の彼女は、やっと、卓球が楽しい!と思っていた頃の気持ちを取り戻せたことと思います。本当によかったね!
やりたいようにやるのが一番です。
せっかく生まれたんだから、やりたいようにやればいいんです。
そして、せっかく生まれたんだから、ウジウジ暗くならずに、楽しまないと損です。
もしオリンピックがあって、いつか彼女の試合が見られるなら、見にいってみたいなと思いました。
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