夏休みをとっていました。普段はできない昼寝をしたり、ゴロゴロしたりと、ゆったりしていました。そういう時間を取るの、大事ですね。
さて、いろいろと政治が動いているようですね。昨日8月22日に投開票された横浜市長選挙に対して、ちょっと思うところがありました。この選挙をスピリチュアルな観点、アセンションの観点、風の時代、みずがめ座の時代の観点から考えてみたいと思います。
政治評論家などの見立てでは、横浜市の有権者がコロナという「短期的なトピックに突き動かされ、長期的な視点を見失った」ために、公衆衛生の専門家である山中竹春氏が当選したということになっています。では、果たして本当にそうでしょうか?
つまり、一般的に言われている選挙結果の分析ロジックはこうなります:
新型コロナ感染症対策→ 短期的
IR(統合型リゾートの誘致)→長期的
このロジックですと、統合型リゾートという名前で呼ばれるいわゆる「カジノリゾート」の誘致が、長期的な経済活性化策であるべきなのに、横浜市民は短期的にコロナへの不安にあおられて、長期的な財源となり、観光産業活性化、経済波及効果の見込めるカジノリゾート開発の正当な評価をしそこなった、ということになります。
これってずいぶん横浜市民に対して失礼なロジックだと思いませんか?そして、色々と勝手な前提に基づいています。その前提とは:
ーカジノリゾートは観光産業・地域経済に資するものである
ーー>これはさらに「観光」産業がすぐに復活し、国境を越えた海外旅行が復活するという前提に基づいています。
ーー>人を世界中から集め、学会や見本市、国際的なライブ、コンサートを開催する「イベント」経済のポテンシャルは高い
ー新型コロナは「短期的」に収束する
まず前提1ですけれども、これはそもそもコロナによってその前提条件はとっくに崩れていると思います。新型コロナのパンデミックが、どういう規模で、どれくらいの期間、今後わたしたちの社会に影響を与えるか、ということが、すべての前提条件に影響を与えます。
あなたはどう思われますか?
少なくとも、パンデミックが3年目に入ることは、もはや自明ですよね。来年も私たちはパンデミックに影響されることでしょう。それは、変異型が次から次へと登場し、ワクチン接種が9割台まで進んでいるイスラエルにおいても感染の再拡大が進み、OECD諸国ではブースターという、3回目のワクチン接種への準備がすでに始められていることからも、わかります。
ではその先は?ということなのですが、専門家には、今後かなり長い間、少なくとも5年くらいのスパンで、続くだろうという方が多いです。また、この新型コロナウイルスが収束したとしても、このように社会生活に大きく影響を与えるウイルスや、温暖化による自然災害が今後多く発生する可能性は高まっています。
パンデミックは、スピリチュアルの世界で言われる、「風の時代」の到来とほぼ同時に発生しました。この風の時代の始まりは、情報とクリエイティビティ、共有、そして個性の時代、と言われていました。奇しくも、パンデミックによるリモートワークの広がりから、一気にオンライン化が進みましたよね。人々の心もどんどんと変わっていっています。今回のパンデミックへの政府の対応は、従来型の、平時には機能する官僚機構が、このような有事には機能不全になるということ、そしてそのような事態には、強いリーダーシップが必要だけれども、そのような人材が現在の日本の政界にはいないことも、日本の人々に強く認識されました。
そして、リモートワークを積極的に導入した企業の多くが、実際に会社にいくという社会的・物理的コストをはぶいても、業績は順調であり、ワークライフバランスを改善する側面などの多くのメリットがあり、パンデミックが収束しても、存続させるとアナウンスしています。つまり、ニューノーマル、新しい生活様式は、コロナ<後>も定着するということなのです。
また、国境を越えた人の移動も、さまざまなリスクを考えると、パンデミック前と同じとはいかないでしょう。そして、たくさんの人を一か所に集めることで、情報や技術を前進させようとするいわゆる<MICE>経済(meetings, incentive tours, conventions, eventsなどなどのイベントの頭文字をとったもの)として知られるビジネスのポテンシャルも、パンデミック前と今では、まったく異なるのではないでしょうか。
つまり、IR、カジノリゾートのポテンシャルを担保していた前提がすべてパンデミックによって崩れ去っているといっても過言ではないのです。
また、カジノリゾートは、カジノからあげられる莫大な収益により、シルクドゥソレイユなどのお金のかかる大規模なショーや、お金のかかるMICEビジネスを回すことで人を集める、<密集>を作り出すことがビジネスの中核です。そして、もうひとつの集客のポイントは、日本にあまりないといわれている超高級グルメ。これで海外のお金持ちをつろうということです。つまり感染症対策においては、NGな産業が集約されているのがカジノリゾートなんですね。その証拠に、ラスベガスのカジノリゾート大手も、現在かなり苦境に立たされており、自社保有の不動産を減らして手持ち資金を増やすなどしています。
カジノリゾートって、2000年代から2020年代にかけての後期資本主義を象徴するようなもの、というところがあります。文化的にも。世界中からプライベートジェットで、お金持ちを空輸し、1テーブル何百万円、あるいは何千万円もするテーブルで、世界のセレブや富豪が一晩で億単位のお金を消費する。証券市場の過熱とともに、リーマンショック後の金余りの世界経済が生んだあだ花、という感じがします。
そういうライフスタイルに人々があこがれた時代は、パンデミック前にすでにもう終わりつつある萌芽があったと思うし、パンデミックがとどめを刺したのではないでしょうか?パンデミックで人々は、これまで色々と忘れていた、本来の幸せに必要な要素を再認識できた部分があると思うのです。人々は、もっと地に足を付けて、落ち着いた生活がしたいと感じているし、日本でも六本木や西麻布で飲み歩くヒルズ族的なライフスタイルに対しては、むしろ嫌悪感の方が強くなっているような気がします。田舎暮らし、地方移住、アウトドア、そういったライフスタイルの方が、いまはかっこいい、という時代の空気感になっているのではないでしょうか。Z世代の消費動向にもそれは如実に表れています。そしてそれは、10年、20年スパンの時代の変化の兆しなのではないでしょうか。
こう考えてみますと、横浜市長選挙はむしろ、逆のロジックで説明をつけることが出来ると思うのです、つまり:
ーコロナ対策:長期的に人間社会を変革するものであるから、根本的な対策と対応が必要。
ーIRカジノリゾート:短期的な視座から盛り上がったものであり、すでに時代に合わない経済政策なのだからやめるべき
このように考えたのではないでしょうか?
そう考えてきますと、横浜市長選挙の結果は、大変長期的な、人類社会の大きな転換を象徴し、ストレートに反映させたものだったのだ、と思えてきますし、私はそう信じています。横浜の人々は、もともと文明開化の土地であり、外に向けて開かれたカルチャーを共有しているのだから、他の場所にさきがけて、敏感に時代の変化を感じ取り、反応したのだと、私は信じます。
私ももともと海外出張の多い仕事でしたが、それももう前のようにバンバン海外に出張、なんてあり方に戻ることはないだろうと思います。となると、国際会議のためだけに人を世界中から呼び集めるMICEビジネスも、カジノリゾートに実際に集めるのではなく、基本的にヴァーチャルなものに移行していくのだと思いますし、今起きているその移行は定着して、ニューノーマルになるのだと思います。
金満資本主義の狂乱の時代と、それを象徴するIRは、コロナによって終焉を迎えオワコンと化したことを人々は感じ、理解し、そして、これからはコロナをcontain しつつ、なんとか共存していきながらサステナブルな社会をみんなで知恵と創造力を活かして作っていくべきだ、、、そういう大きな時代の変化を人々がしっかりと感じ取って票を投じた結果が、横浜の市長選挙なんだと思います。
その新たな時代は、より人の心に対して敏感に反応し、お互いに深いところで通じ合うようなコミュニケーションが成立し、クリエイティブで、開かれて、愛と光に満ちた時代だと信じますし、それに向けてエネルギーを送ります。
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