あけましておめでとうございます
新しい年が始まり、2025年を迎えました。
2024年後半には、世界を揺るがす出来事が立て続けに起こりました。トランプ氏の再選、韓国の大統領弾劾、シリアのアサド政権の崩壊など。大きな変化が加速しているのを誰もが感じているのではないでしょうか。
これからの世界はどうなるのでしょうか?そして、5年後、10年後の未来はどのように変わっているのでしょう?
今回は、日系アメリカ人の政治哲学者、フランシス・フクヤマ氏の視点を通じて、この問いに向き合ってみたいと思います。
フランシス・フクヤマと「歴史の終わり」
フクヤマ氏は冷戦終了時に発表した著書『歴史の終わり』で世界的に注目されました。彼の主張は、東西冷戦の二項対立が終わり、自由民主主義が最終的なイデオロギーとして勝利を収めたというものでした。しかし、その後の9.11テロや新たな地政学的対立の台頭により、「歴史は終わっていない」という批判も多く寄せられました(とはいえフクヤマ氏の言う歴史とはヘーゲル学派の歴史なので、そういった批判は当てはまらないともいえます)。
2024年、彼は日経新聞の特集「逆転の世界」で、現在の世界情勢について語っています。そのインタビューの中で、フクヤマ氏は特に「多極化」と「民主主義の後退期」という2つのトピックに焦点を当てており、これらが私たちの未来にどのような影響を及ぼすのかを考える上で重要な視点を提供しています。
多極化の時代は「良いこと」なのか?
フクヤマ氏は、ベルリンの壁崩壊から2008年の金融危機までを「アメリカの過剰な優位性」の時期としています。この期間、アメリカは政治・経済・軍事・文化のすべての面で圧倒的な力を持っていましたが、それが「不健全」だったと指摘します。そして、金融危機以降、グローバルサウス(発展途上国)が力をつけ、多極化が進んでいる現状を「良いことだ」と述べています。
確かに、力が一極に集中するよりも、多様な主体が力を持つ方が、よりバランスが取れた世界を実現できるかもしれません。今の混沌からすると想像しづらいかもしれませんが、たとえ混沌を経ようとも、一旦は一極集中であったものが壊れないと、より多くの声を反映するシステムには移行できないのは確実です。なので、この多極化の流れは、国際協調や地域間の対話を促進する可能性を秘めてもいるのです。
民主主義の「後退期」とは
一方で、フクヤマ氏は「現在は民主主義の後退期にある」とも述べています。この民主主義の停滞は、ポピュリズムの台頭や、権威主義的なリーダーへの支持の増加として現れています。多くの先進国で、既存の民主主義制度が機能不全に陥り、人々の信頼を失っています。
それでも、フクヤマ氏は「民主主義の力は最終的に再評価される」と信じています。その理由は、権力が個人や一族に集中する体制が、長期的には誰にとっても幸福をもたらさないからです。アサド政権の崩壊は、その象徴的な例と言えるでしょう。
これからの未来を占う
フクヤマ氏の洞察を元に、私自身も今後の世界を考えてみました。民主主義の再評価、多極化の進展、新たな社会の在り方。これらは、私たちが直面する大きなテーマです。そして、それらを通じて、私たち自身がどのように行動し、変化を受け入れていくかが問われています。
次回の投稿では、私なりに感じた未来のビジョンを共有したいと思います。
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