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8月, 2025の投稿を表示しています

群衆との距離の取り方

昨年末から、頑張っていることがあります。 それは「中途半端なままのフランス語を、ちゃんとマスターすること」。 きっかけは、公文式でフランス語をマスターしたという人との出会い。 私も、娘に小1から小5まで嫌がられつつも毎日やらせた公文算数の効果を知っていたので、やってみようと思いました。 「継続は力なり」というモットーの通り、毎日少しずつプリントをこなし、加えてオンライン会話も続けました。今では、やらない日があると落ち着かないくらいです。 プリントはAからLまであって、1段階200枚。 とうとうJまできて、残すはKとLだけ。でもここからが急に難しくなります。 そして、大学時代に挫折したボードレールの『パリの憂鬱』がテキストに登場しました。 正直、この作品の退廃的で暴力的な雰囲気は、今の平和な生活のペースにそぐわないと感じていました。 けれど、以前は読めなかった長い構文が、今ではすっと読める。 精緻な構成や想像力豊かな言葉の組み合わせに気づき、時々、ボードレールという人がもしもっと開かれた時代に生まれていたら…なんて微笑ましく思う瞬間もあります。 印象的だったのは、この一節(日本語で引用します)です。 「好奇心も野心もなくなった者にとって、展望台に寝そべって、あるいは防波堤にひじをついて、出発する者、戻ってくる者、望む力や旅をしたり富を求めたいという欲望をまだ持っている者のあらゆる動きを眺めることは、一種の神秘的で貴族的な快楽があるのである」 実は、この感覚、最近の私もよくわかるのです。 2か月前、私は日本でも屈指の忙しい路線を崖下に見下ろせる高台のマンションに引っ越しました。 ベランダはハーブや果物、バラでいっぱい。敷地内には大きな木が並び、都会のオアシスのようです。 そこから、視界のほんの一部に電車が見えます。高速で通り過ぎるその車両の中の人々は、私の存在を知りません。けれど私は、通勤や通学、あるいは遊び疲れて帰る人々を眺めています。 私はベランダで植物の世話をしたり、洗濯物を干したり。土の匂いや洗剤の匂いに包まれながら、鉄の塊が電力で突き抜けていくのを見送ります。 そこには社会の大きな力と、ひとりひとりの小さな日常が同時に流れています。 不思議と、その光景は私を落ち着かせます。 ボードレールが港で感じた「群衆を眺める快楽」に似ているのかもしれません。 現代社会の渦...

起きていること全てを愛を持って受け入れる

  こんにちは、ご無沙汰しております。 今日は、 Instagram にメッセージをくださった方からのお悩みについてお話ししようと思います。実はメッセージが見当たらなかったため、こちらのブログでお答えさせていただきますね。もしご覧になっていたら、読んでいただけると嬉しいです。 ご相談いただいた内容は、今までにないエネルギーと身体感覚を覚えて、 悪夢に悩まされ、不安でいっぱい、そして頼れる人もいなくて辛い、というものでした。 まず、大変な時期を過ごしているあなたへ、心から「よく頑張っているね」と伝えたいです。そんな不安や恐怖、孤独感は本当にしんどいものですよね。でも、どうか自分を責めないでください。あなたは一人じゃありません。 実は、こうした感覚は心や体の中で「何か大きな変化」が起きているサインでもあります。これは霊的なことだったり、深い精神的な変化だったり、時には身体の自然な反応だったりします。私のブログでは、科学的な視点もたくさん紹介していますが、どんな理屈よりも大切なのは、 「今、湧き上がってくるものを丸ごと受け入れて、愛を持って抱きしめること」 なんです。英語でいうと、「 Love what arises 」、起きることすべてを愛する、ですね。 不安や恐怖、揺らぐ感覚に逆らわず、むしろそのエネルギーにそっと身をゆだねてみてください。抵抗しようとすると、逆に心は疲れてしまいます。不安は「悪者」ではなく、あなたの中の変化を知らせてくれるメッセンジャー。だからこそ、怖がらずに感じてあげてほしいのです。 ベルトコンベアに乗っている感覚も、夢の悪夢も、もしかするとあなたの心と体が「大きな変化の波」を感じているからかもしれません。その波に一緒に乗って、流れに身を任せることができると、少しずつ安心感が増していくと思います。 そして、何より自分を大切にしてください。小さなことでも、自分が喜ぶことをしてみてください。温かいお茶を飲むとか、好きな音楽を聴くとか。あなたの心が少しでもほっとできる時間を大切に。 あなたの心にあたたかな光が届きますように。