クンダリーニ覚醒の体験をした人々がよく口にするのが、「体が細かく振動しているように感じた」「世界そのものがエネルギーでできていることを実感した」といった感覚です。この現象は、タントリック・シャイヴィズムの哲学に深く根ざした理由によって説明されています。それは、私たちの存在や宇宙そのものがエネルギーの振動(スパンダ)によって成り立っているという考え方に基づいています。
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1. スパンダの哲学:宇宙の振動する本質
タントリック・シャイヴィズムの中核的な教えの一つが「スパンダ」という概念です。
スパンダとは、「微細な振動」や「脈動」という意味を持ち、宇宙の根本原理を指します。この哲学では、宇宙のあらゆる現象は、静止した意識(シヴァ)と、それを動かすエネルギー(シャクティ)の間に生じる微細な振動によって生み出されるとされています。
つまり、シヴァ(純粋な意識)が完全に静止しているわけではなく、シャクティの力によってその中に微細な動きが生じ、これが宇宙全体の基盤となっています。このスパンダの現象は、私たちの肉体、心、そして周囲の世界のすべてに浸透しているのです。
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2. クンダリーニ覚醒と微細な振動
クンダリーニ覚醒は、背骨の根元(ムーラダーラ・チャクラ)に眠っていた潜在的なエネルギーであるクンダリーニ・シャクティが、チャクラを一つずつ上昇していくプロセスです。この覚醒の際に感じる振動は、いくつかの要因によって説明されます:
1. エネルギーの解放と流動
クンダリーニが覚醒すると、通常は眠っていたエネルギーが活性化し、ナディ(エネルギーの通路)を通って体全体に流れます。この流動により、体内のエネルギーフィールドが大きく変化し、その結果として振動や波動を感じるようになります。特に、細胞や神経系がエネルギーの流れを反応として「震える」ように感じることがあります。
2. 微細な意識への目覚め
覚醒したクンダリーニは、意識を微細なレベルまで拡張させます。その結果、これまで気づかなかった身体や世界の振動を知覚できるようになります。これは、まるで高感度のアンテナを手に入れたかのような体験です。
3. シャクティの上昇とスパンダの体感
クンダリーニがサハスラーラ・チャクラに到達する過程で、シヴァとシャクティのエネルギーが統合されます。この統合によって、スパンダ(宇宙の振動)がダイレクトに体感され、内なる振動として感じられるのです。
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3. なぜ世界全体が振動しているように感じるのか?
クンダリーニ覚醒の際、振動が自分の体だけでなく周囲の世界にも感じられる理由は、タントリック・シャイヴィズムが教える「私たちの内なる宇宙(ミクロコスモス)と外なる宇宙(マクロコスモス)が同一である」という原理に基づきます。
- 一元的な視点
クンダリーニ覚醒は、個人の意識が宇宙意識と繋がるプロセスです。この段階に達すると、自分自身と世界の区別がなくなり、すべてが一つのエネルギーの振動で構成されていることを体感します。つまり、「世界全体が細かく振動しているように感じる」のは、実際にそうであり、それに気づく感覚が覚醒によって開かれるのです。
- 意識の拡張と波動の感知
人間の五感や心の枠組みが広がることで、空気中や物質の中、さらには人々のエネルギーの振動までもリアルに感じられるようになります。これを「スパンダの感知」としてタントラは説明します。
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4. 振動の感覚は何を意味するのか?
振動を感じることは、単なる身体的な現象ではありません。それは、以下のような霊的成長や宇宙理解を意味します:
- エネルギーが浄化され、調和した証拠
振動は、体内のエネルギーが正しく流れ、宇宙の振動と同調している証拠です。
- 「すべてが一つ」の体感
振動を感じることで、「宇宙全体はエネルギーの波であり、その波の中に自分が存在している」という深い一体感を体験します。
- 悟りの扉を開く準備段階
クンダリーニ覚醒による振動は、悟り(完全なシヴァとシャクティの統合)の前兆であり、内外の区別を超越する準備となります。
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まとめ
タントリック・シャイヴィズムにおけるクンダリーニ覚醒で感じる「振動」は、宇宙の根本的な性質であるスパンダ(振動するエネルギー)への目覚めそのものです。体が振動しているように感じるのは、クンダリーニが解放され、体内のエネルギーフィールドが宇宙の振動と調和し始めるからです。また、世界全体が振動しているように感じるのは、意識が拡張し、内なる宇宙と外なる宇宙が一つであることを体感するからです。
この振動の感覚は、タントラが教える「自分が宇宙そのもの」であるという真実への旅路の一部です。覚醒を通じて、あなたもその振動のリズムに身を任せるのは、とても素敵な体験です、本当に全てはエネルギーであり、自分は宇宙の延長であり、一部であり、宇宙そのものだということを実感できるからです。
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