一つ前の記事でタントリック・シャイヴィズムについて触れたのと、日本語ではあまり簡単にまとめている情報が無いみたいなので、改めてこちらでご説明します。
タントリック・シャイヴィズムは、ヒンドゥー教の中でも特にシヴァ神を最高存在とし、神聖な意識とつながる方法を探求する霊的な伝統です。この教えは古代インドで生まれ、特にカシミール地方で発展した「カシミール・シャイヴィズム」という独自の形で知られています。
1. 基本的な考え方
この世界に存在するすべてのものは、シヴァ神(究極の現実、または神聖な意識)の現れであるという考え方が基本です。つまり、神聖な存在は世界から切り離されたものではなく、私たちを含めたすべての中に宿っているという考え方。
2. タントラとは?
「タントラ」とは、神聖な意識を体験するための技法や実践、教えを指します。具体的には、以下のような方法が含まれます:
- 瞑想
- マントラ(神聖な音や言葉)
- 儀式
- ビジュアライゼーション(イメージを思い描くこと)
これらの実践を通じて、内なる神聖な意識を目覚めさせます。
3. 最終的な目的
タントリック・シャイヴィズムの目的は「自己実現」です。つまり、自分とシヴァ神=宇宙が一体であることを理解し体験することです。個人としての限界を超え、自分自身の無限性を発見する道です。
4. 独自の視点*
多くの霊的な道が「この世を捨てること」を重視するのに対し、タントリック・シャイヴィズムは「この世を受け入れること」を大切にします。日常生活の中のあらゆる経験を、神聖な存在とつながるチャンスと捉えます。
5. 宇宙観と哲学
タントリック・シャイヴィズムでは、宇宙はシヴァ神の創造的なエネルギー「シャクティ」によって生まれると考えます。シヴァ(純粋な意識)とシャクティ(創造的なエネルギー)の相互作用が、すべての存在を生み出し支えています。
まとめ
タントリック・シャイヴィズムは、「すべてのものに神聖な存在を見る」という視点を持ち、実践を通じてその気づきを深める道です。人生そのものを霊的な旅と捉え、日常の中で神聖な意識とつながるための方法を教えてくれる伝統です。
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